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価格のものさしなんて人それぞれ

私は、事務アドバイザーの仕事の他に筆文字作家として札幌市内のイベントを中心に出店をしています。

シュールな言葉を書くポチ袋と、心を濡らす言葉を書くハガキや色紙とのギャップに大変好評を頂いております。

 

2019年のサッポロモノヴィレッジから活動を始めた訳ですが、当初価格設定には非常に悩みました。サッポロモノヴィレッジのときはニーズ調査をしたかったので、ポチ袋は3枚100円で販売をしました。このとき、ご購入頂いた方には「今回はニーズ調査のため特別料金です」とお伝えして販売をしておりました。

 

サッポロモノヴィレッジの次に出店するイベントから1枚50円で販売しようと準備をしていましたが、2回目のイベント出店の2日前に参加した手作り作家さん向けの経理に関するセミナーで価格設定の話を聞き、私の作品の原価等を改めて見直すと1枚50円でもほぼほぼ利益がないことに気づきました。イベント2日前に価格設定が違うことに気づいたのですが、2回目と3回目のイベントが5日以内の短いスパンで行われることから、この2回は再度ニーズ調査としての価格設定とし、出店することに決めました。

 

<このイベント時の販売価格>

ポチ袋…50円

ハガキ…100円

色紙…200円

 

1枚1枚手書きにしては非常に安い価格設定ではありますが、売り上げ目標も大幅に超える盛況ぶりで非常に嬉しかったです。

 

 

 

このイベント中、価格設定についての問題が2つ発生します。

 

 

金額だけで買われた

イベントによっては、会場内の作品を5つ購入頂くごとにくじが引ける特典があります。3回目に出店したイベントがそのような素敵な企画を行っていたのです。

 

しばらくしてから、1人のお客様が訪れます。

 

「これなんですか?ポチ袋?じゃあ、10枚ください」

 

私の作品は1つ1つ手書きで、同じモノが1枚もないので、好きなモノをぜひ選んでください…とお願いしました。

 

すると、お客様はこう言いました。

 

「なんでもいいんで、10枚ください」

 

これは、くじが引きたくて来ていると思いました。他の作家さんの単価ですと基本平均1,000円以上ですから、1回くじを引くにも5,000円程度は使わないとなりませんが、私のポチ袋は50円なので500円で1回くじに挑戦できる訳です。

 

改めて、1つ1つ言葉が違うので選んで頂いて…とお願いをしたら、束ねていたものから適当に取り、

 

「これでいいです」

 

と10枚渡してきました。正直、ショックでした。仮に買って頂いた本当の目的がくじを引きたくて…だったとしても、嘘でもいいから選んでるフリくらいはして欲しかったのが本音ですし、もしかしたらその言葉が本当に欲しいと思ってくれた人の元に行けたかも知れないのに…と思うと複雑な思いを抱きました。

 

このイベントで行われるくじはとても素敵な企画なので、私は大賛成です。くじの景品も、各出店者様から提供を受けたもので、とても素敵なモノばかり!だからくじを引きたい気持ちもわかります。

ただ、私はそんな雑に扱われるために筆文字作品を作っている訳ではない。私が書いた文字を見て、私が書いた言葉を見て良いと思ってくれる人に手に取って貰いたいから、筆文字作品を製作しています。

 

 

 

 

私はよく、こういうことを作家さん等に言います。

 

 

価格設定、間違ってない?

 

みんな、安すぎる。

 

人件費入れてないでしょ、その価格。

 

買ってもらうための価格設定はダメだよ。

 

 

私は、事務のメニューも筆文字の作品も、買ってもらうための価格設定はしていません。しっかりと原価等細かいところまで計算をして価格設定をしていますが、このイベントのときの価格設定は安すぎたためにそれだけの扱われ方をされてしまいました。

 

 

自分の作品を本当に好んで買ってくれる人の為に価格改定をするべき。

 

あなたの作品に惚れ込んでいる人は、価格で作品は買いません。

 

 

 

 

 

価格のものさしなんて人それぞれ

お客様との会話の中で、

 

今回はこの価格ですが…次回のイベントからまた価格改定をする予定なんです。

 

そう伝えると、お客様は言いました。

 

 

あんまり上げて欲しくないなぁ。」

 

 

気持ちはね、わかるんです。ただ、ポチ袋が1枚50円は赤字なんですよね。

 

 

そして、同じイベントで私の書いた作品に惚れ込み、色紙を購入頂いたお客様に「代金は200円」と伝えると非常に驚いた顔で、

 

1,000円だと思った

 

と仰ったんです。

 

 

価格のものさしなんて、ひとそれぞれですよね。

 

200円でも高いと思う人もいれば、1,000円でも買ってくれる人がいる。このあとのイベントで色紙の価格設定を300円にするのですが、そのときは500円玉を渡して「お釣りはいらないよ」と言って下さる方もいました。

 

それならもう、価格がどうであれ自分の作品に惚れ込んで買ってくれる方が嬉しいですよね。

 

 

 

 

まとめ

この一連の流れは、同じイベント、同じ日に同時に起きた実際にあった話です。今まで作家さんに対して「価格設定間違ってるよ」「これは安すぎるよ」と何度も言っていた私自身が、自分の作品の価格設定に対して改めて考えさせられました。

価格設定は非常に難しいです。ただ、しっかりと決めなければ私の作品に惚れ込んでくれた人、私の作品を大切に扱ってくれる人以外のところに渡ってしまうということも学びました。

 

ハンドメイド作家さんに、心から伝えたい。

 

原価を無視した、お客様に買ってもらうための価格設定は絶対にしてはダメ。

 

他の人の作品に横並びの価格も絶対にしてはダメ。

実際にかかった材料費、人件費、作業代、諸経費、利益などをしっかりと計算して価格設定をしてください。

 

 

あなたの作品に惚れ込んだ人は、価格では購入しませんから。